糸
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そうこうしているうちに、 時間は立つばかりだった。 やはり帰ってしまおうか。 と考えもしたが、結局 すぐ帰ればいいと自分に言い聞かせ、 鉛の様に固まった足をしぶしぶ動かした。 少し適当に歩いていたとき、 ふと目線を上げると小さな森があった。 蝉の聲が森の樹々から聞こえて来た。 僕は蝉が大嫌いだったが、 何でも毛嫌いするのは良くない。 と思い、僕はその小さな森の中に足を踏み入れた。
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