老夫婦と食堂

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先ほどのやり取りは一体何だったのか。 まあ良い。 ここまで登って来た苦労に見合う程度の物を持って来てくれるというのなら、それで。 コツコツと軽快な足音を鳴らし、ウエイターがこちらへ向かって来た。 丸い蓋の付いたトレーを、これ見よがしに持っている。 それを俺たちが座っている机のど真ん中に置いた。 いい匂いだ。 だが、これは……。 ウエイターがゆっくりと蓋を開けた。 俺は思わず溜め息を漏らす。 感嘆ではなく、悲嘆に近い。 そこにあったのは、今まで何度も見たことがある物だった。 それには何の捻りもない。 「では、ごゆっくりどうぞ」 文字通り、満面の笑みを浮かべ、ウエイターは帰っていった。
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