0弾 プロローグ

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私が今さっきまで見ていた情景とは全く比べ物にならない程に荒廃した戦場の激戦区の中心だった。 激戦区は、建物と言える建物はほとんど見当たらず、瓦礫の山で覆い尽くされている。 そんな中で2つの勢力は敵側に銃器を向けあい睨み合いの状況に陥っていた。 だが、彼らは何故か睨み合いのまま全く撃ち合おうとしない。 それもそのはず、彼らが銃器を向けているのは敵の軍隊ではなく、その2つの軍隊に挟まれるように佇んでいる1人の黒服だったのだ。 黒服は大鎌を携え、瓦礫の山の上で軍隊を見下すかのように、悠々とした態度でそこにいる。 顔はフードを深々と被っているため見ることはできないが、身体つきを見ると女の子のようだ。 どちらの軍隊も敵の軍隊は既に眼中になく、ただ彼女だけに釘付けの様子だった。 私は、彼女からそこらにいる軍人共とは全く違う、比べ物にならない何かを感じとれた。 私でも感じられたそれは、圧倒的な存在感。 ただそこに立っているだけで、重苦しいほどのプレッシャーを迸らせている。 両軍は共に彼女の雰囲気に圧されたのか、足は数歩後ずさってしまっている。 だが両軍は共にもう一歩もひけないところまで追い詰められているようで決死の覚悟で挑む体制に移った。
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