プロローグ

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光 「この世界は…どこに居ても君の影が見える…」 中性的に顔つきの青年、天使光は空を眺めながら思い出に浸っていた。 光は数ヵ月前に大切な人を亡くした。東雲里利亜、将来を約束した光の恋人だ。 里利亜は原因不明の病に倒れ、帰らぬ人となった。 光は里利亜と過ごした町を歩き続け、食事もろくに取らずにただひたすら歩き続け、自分の思いを殺していた。 光 「僕が君を守ると…何度も言ったのに…。まただ…!また…守れなかった…!」 里利亜は東雲神社の巫女をしていた。町を歩き続けた最後には必ずこの神社に立ち寄る習慣がついてしまった。 神社の桜の木の下には木刀が刺さっていて、里利亜が光に作った物だ。今は…墓の目印となっている。毎日、ここでうずくまり泣いていた。 今日は涙は出なかった。流す水分も光には残っていなかった。 光 「里利亜…」 光は体力の限界にきていた。木刀の前で光の意識は、自分の意思とは関係無く薄れていき、やがて途絶えた。 次に目を覚ました時には、新たな人生が始まると知らずに。
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