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夜、俺(マコト)はテレビを見ていた。
世間では後1年で世界が滅びるとか言っ てる。
あるノストラダムスの大予言の研究して るやつは、2000年ではないかと言っ てるが、一年違いでは心の準備ができな いではないか!
(ブチッ)
テレビを消して立ち上がる。
今夜は地元の仲間と走りに行く予定だ。
玄関に置いてある単車のキーを取り、駐 車場へ向かう。
乗り慣れたSRのシートに跨がり、キー を入れる。
こいつのお気に入りは、アルミのタンク と、今だにキックでエンジンをかける所 が渋い!―と自分では思っている。
いつものように、タカシの家へ単車を走 らせる。
タカシの家は金持ちだ。
デッカイ家に住んでるが、親はケチくさ い。
タカシ自体はいつも金がないとぼやいて いる。
家へつくとタカシは、KHに跨がり待っ ていた。
「マコトぉ!今日の猪木見たかよ!やっ ぱり猪木は最強だぜ!!」
いつも日曜の夕方はプロレスを見てい る。
俺的にはタイガーマスクが最強だ。
「タイガーには勝てねえよ!」
俺達はそのままもう一人の仲間であるト シの家へ向かう。
トシは高校には行っていない。
定時制ってやつだ。
昼間は親の手伝いで整備士の仕事をして いる。
だいたい単車をいじる時はトシに頼む。
トシは俺らに比べて金はある。
同じ歳だが、何だか大人な感じがする。
トシの家に着くと、二階の電気がついて いる。
俺達は単車を整備場へ突っ込み、二階へ 上がった。
勢いよくドアを開けると。
「キャー!」
黄色い声があがる。
彼女とヨロシクやってたらしい。
「ちょっとお前ら外で待ってろよ!」
俺達は階段を下り、整備場の中で待つ事 にした。
「なぁ、1999年来たら俺達死ぬのか な?」
タカシも同じテレビを見てたらしい。
「死ぬんじゃねぇか?ノストラダムスっ てすげえんだろ??」
ハッキリ言って、俺達はみんな信じてい る。
テレビではノストラダムスは予言で何度 も当てているらしいし。
「じいちゃんばあちゃんは得だよな。寿 命近いから諦めつくもんな。」
若いやつは皆、同じ事を思っている。
「だけどさぁ、今何にも起こる気配ない じゃん?」
「お待たせ!」
そこへトシと彼女が現れた。
彼女は二十歳で女子大生ってやつだ。
「あんた達見てないでしょうね?」
トシの彼女は気が強い。
俺達二人は頭があがらない。
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