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終わると同時に時計を見る。
(6時50分…)
ノートを閉じて、時間割を確認してカバンにしまう。いつもより少し早いけれど、カバンを持つと、部屋を出て食堂に向かう。
────
食堂に着くと、祖父と母が既に椅子に座っていた。
「おはようございます。お祖父さま、お母さま」
「おはよう」
「おはよう、請弥<シンヤ>さん」
祖父と母と挨拶を交わし、いつもの場所に座る。同時に、家を任せられている音伽<オトカ>が、側に来て頭を下げる。
「おはようございます、音伽さん」
「御早う御座います。請弥様。朝食は如何なさいますか?」
「いつものを…」
「はい、請弥様」
音伽がが返事をしながら、頭を下げた時、食堂の扉を開け、弟の聖次<セイジ>が入って来た。
「おはよう」
「おはよう、聖次さん」
「………」
聖次は、ちらっと横目で二人をみたけれど、無言のまま椅子に座る。
「おはようございます、聖次さま」
「………」
音伽の挨拶にも返事はしない。でも、
「おはようございます、聖次」
「おはようございます!請弥兄さま」
僕の挨拶には、いつも満面の笑顔で挨拶を返してくる。
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