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みんな子供が欲しいだけ。
愛の結晶だろうが、性欲処理の副産物だろうが、目的は何でも構わなかったのだ。
そこに気付いた時から、私の吐き気は収まり、乾いた笑いの耐えない「朗らかな奥様」になった。
民宿『海運亭』には、笑うしか能のない若女将がいる。
若旦那はそんな女房に興味はないから、愛人を平然と連れ込むが、誰も文句は一切言わない。
「かわいそうに……。うふふ……。」
どうせあの女も捨てられる。代わりにまた新しい女が来る。
今の私の楽しみはそれだけ。
今度は何時まで続くかなあ。
(終わり)
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