歪みの始まり

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 実際に両親の仲は完全に冷めていて、床を共にするどころかロクに視線も合わせない。  その代わり。  父親の持て余した性欲は、妻ではなく娘の私の若い体に向けられた。 「おまえは体が弱いから、父さんが撫でて落ち着かせてあげよう。」  私が中学生になった時からぜん息の発作が始まり、酷い時には一晩中咳が止まらない。  今ではほぼ完全に治っているが、父親はそれで味をしめたらしく、煙草に咳き込んだだけで背中ばかりか胸や下腹まで弄る。  さすがに最後の一線は越えないが、おかげで私は今でも下半身が簡単に露出する、スカートやホットパンツの類は履けない。  たぶん母親はこのイタズラを知っているだろう。  それが証拠に私が父親と床を共にした時には女の顔で睨むのだから。
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