歪みの始まり

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 私は今まで自分の不自然な存在に疑問を持ち続けていた。  母親の兄に対する溺愛。そのしわ寄せに一切の家事を私に押し付け、尚且つ優秀な成績を出さなければ八つ当たりされる事。  そのくせ、幼少期の私に来た養子縁組みを断った事。  父親の私に対する性的なイタズラを黙認する事。  兄が親近相姦で産まれた子なら、全てに納得がいく。  一方、私が父親と母親の世間体をつくろうために作った子なら、不自然で酷い仕打ちもおかしくはない。  兄は純粋な愛の結晶。  私は両親の世間体をつくろう為に作られた子供。  この違いがわかった時、私は妙に安心して笑いが止まらなかった。  けれど。  これはほんの始まりに過ぎなかった。
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