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「ええ?!なんでそうなるの?」
私は思わずエルの方を見てそう叫んだ。
確かにエルが年末の昇級試験に落ちた事は知っていたがもちろんそれを意図して言ったはずもない。
「エル、あんたはちょっと黙ってなさい。馬鹿に見えるわよ」
「うっさい!ティナこそ、ギリギリで上がれた癖に!」
テロ事件で色々あったこともあり小球が危なかったことを知っているエルはここぞとばかりにそれでティナを攻撃する。
「良いでしょ!?ギリギリ上がれたなら儲けものよ!!上がれなかったあんたよりは断然にマシよ!」
「なんですって!!!」
ぎゅううううう…
「痛い痛い!」
エルに締め技を掛けられていた男子隊員が叫び、
「やーめーてー!!」
ホールドされた女性隊員が悲鳴を上げる。
ティナ達の怒りのボルテージが上がるたびにその威力は上がっているようにも見える。
「ちょ…、ちょっと、二人とも、喧嘩は止めなよ。そんなことしてる場合じゃないでしょ?」
状況解決はもちろんだが、このままだと、締めれている二人がとんでもない事になってしまいそうだ。
「痛い痛い痛いー!!!ぎゃあああああー!!!!」
パタリ…
言っている間に、エルの方の隊員が地にだらりとダウン、どうやら気を失ったみたいである。
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