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「一体何が…」
ぽつりとそう呟いたその時だった。
「シズク!」
「うわっ!」
背後から何かに首を絞められそうな勢いで飛びつかれ思わず飛び上がった。
いきなりの事に何が何だか分からない状態でちらりと後ろを見ると、そこには同僚の隊員、ティナ=アルヴァンの姿があった。
「ティナ!驚かせないでよ!」
私はほっと息を吐いてから、そちらに向かって睨みつけた。
いつもはその綺麗な金髪を後頭部の後ろで纏めているのだが、今は私と同じ寝起きのようで今は肩より少し長いくらいの髪型である。
それにしてもさっきの夢のショックの後にこのショックはかなりきつい。精神的に相当なダメージである。
私の抗議に対して彼女はというと、私の態度が気に召さなかったようで、頬を膨らませ今度は正面に回り込んだ。
「それはこっちの台詞よ!いきなり大声出して、目がさめちゃったじゃない!」
「あ…ごめん」
ポカンと、唖然としたように私は謝罪した。そう言えば目覚める前に相当大きな声を出していた気がする。
なるほど、それでは彼女も怒るはずだ。
それに叫んだ言葉もそれなりに恥ずかしいワードだった気もする。
そう考えれば考えるほど、私は恥ずかしさが増し、思わず首をすくめ、掛け布団に顔を埋めた。
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