1.変化する日常

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「ヴェルちゃん!大丈夫?」 「うん…」 私が彼女を立たせると、ノエルが駆け寄りその肩を抱いて尋ねる。 大げさな抱きつきにヴェールはまだ呆然としている。 二人共の行動は無理もない。ヴェールはヴェールでいきなり起きた事に対応できていないだろう。 一方でノエルの方はもっと分かる。一瞬顔色が真っ青になりそうな、そんなぞっとした光景を見せられれば誰だって大げさになる。 「うわー、こりゃ派手にやられたわね」 「だね」 「あっ…すみません…」 「拾うくらいで謝らなくてもいいよ」 一緒に駆け付けた、ティナとエルが資料を拾うのを見てヴェールは慌てて謝罪するが、当の本人達はそんなことどうでもいいと言った感じで、むしろ拾った資料が彼女たちの手圧でくしゃり始め、あれじゃあもう会議に使えないといった始末になっている。 だからと言って彼女たちを責めることは出来ない。きっと私も拾っていたらああなってるから…。 それほどまでに“私達は”怒っていた。 ヴェールをノエルに任せ、私は新入兵たちの前に躍り出て、そして口を開く 「貴方達、もう適当な理由すらつける気ないんだね」
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