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そう言えば今自分たちが立ってるのは部屋の入口のど真ん中だった、悪いことをしてしまったな、その感情からだった。
けれど、そう考えたのは一瞬で、振り向いた瞬間、
「…!?」
私の思考は全て消し去られる。
ティナが私の顔を覗息込み、
「シズク、どうしたの?」
そう呼びかけられた気がした。
確かにその行動が行われているはずなのに、その表現になってしまったのはそれほどまでに自分が驚いてるからなのだと思う。
まるで今自分の目の前で起きている事は一枚の絵画の向こう側の風景を見ているような、空想を見ているような気分。
つまり信じられないのだ。
「貴方、なんでここに…」
目の前に今いる、存在を…、けれどその存在は間違いなく、
「お久しぶりですね、お姉さん…」
よそよそしい口ぶりで、それでいて私の事を姉と呼んだ彼女は間違いなく、
「セツナ…」
自分と同じ銀髪を持つ一人の少女だった。
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