68人が本棚に入れています
本棚に追加
「うん?」
笑顔で首を傾げう母だったが
「へへ」
と笑う私とそして魔力を使おうとしている事に気付いて、はっと驚いて、発動の瞬間にばっと私に手を伸ばした。
「駄目よ」
母はその指を折りたたみ私の手を両手で包み込むように握った。
「えっ…?」
何をしようとしたのか分かったのか。それにも驚いたが。その自分がしようとしている事がいけない事だなんて思ってもみなかった私はとても驚いて、思わずそう声を漏らした。
すると母は私を包み込むように抱きしめる。
「お母さん?」
「その力は大切なものだからそう言う事に使っちゃ駄目。いい?」
「う、うん…」
耳元で囁くように言われた声がどこか悲しげで私は飲まれるように首を下げた。
返事を聞いた母は私を離すと、またいつものような良い笑みを浮かべながら今度は母が指を空に向けてさした。
「それに雪は自然に振っている方が美しいとは思わない?ほら」
「あっ…」
指の差す先をみると、そこには丁度振りだしたように雪がちらちらと空から下りてきていた。
「雪だ!!」
私は膝立ちで身を乗り出し縁側の向こうをみて、興奮した声を上げた。
最初のコメントを投稿しよう!