1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
高1の春、私は母が再婚を考えていることを知った。
聞けば、二年近く付き合っていたらしい。
「お母さんが幸せならいいと思う」
私はそう伝えた。
「ありがとう」
幸せそうな笑みを浮かべた母が
とても可愛く見えた。
温かい気持ちのまま部屋に戻ろうとした刹那、母が「あっ!」と声をあげた。
「どうしたの?」
「あのね、優心にお兄ちゃんが出来ることになるから。
仲良くするのよ?」
「う、うん。
んじゃ部屋に戻るね、おやすみ」
母にそう言った後、早々と自室へ向かった。
混乱している。
本当に混乱している。
元々引っ込み思案な私は
新しい出会いを好まず、寧ろ避けて生きてきた。
だからあまりにも突然すぎて、あたまが上手く処理しきれていないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!