人類滅亡先輩

2/3
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
一番初めにGOが居た。そして地球や人類、美しい自然を作った。 趣味は市民いじり。運命の女神と言われるのはただのGOのしわざ。この世は全部奴の気まぐれ。 「ビール!ビール!ビール!」 「冷えるか~」 「この辺にうまいラーメンの屋台来てるらしいっすよ」 「じゃけん夜行きましょうね~」 ―――緊急地震速報 M8.9が発生しました。 ファッ!?皆固まった。さっき揺れたような形跡があった気がしないのだ。 ―――津波に警戒してください。 「やべぇよやべぇよ」 羽田野はびびっている。一番気弱で、こういうのにはなおさらなのだ。 一方三浦と言ったらどっしり構えてニュース番組を見ている。池沼なのかマイペースなのか…。 「うちさぁ、ノア↑の方舟持ってんだけど乗ってかない?」 野獣先輩が唐突に話始めた。やたら自信があるらしい。全面スケルトンで頑丈。壊れにくい。 二人はわざわざ海に行くのは自分から火に飛び込むものだし、馬鹿げたことだと思った。が、段々野獣先輩の話は白熱して行き、最終的に松岡修造並みになり、この大作戦を受け入れてしまった。 下北沢湾に浮かぶ舟を探しに歩いて海に向かう。着いてみると意外に簡素でなんとか3名が乗れるレベル。 「あ^~本当にちっさいですね」 三浦は直球に呟く。 「ん?操縦席は無いのか~」 中に入った羽田野が野獣先輩に言った。 「ノアの方舟なんだから他のとは違うんだ(呆れ)」 警報が鳴り響く。おそらく津波が来ることを市民に知らせているのだろう。 吹き荒れる雨と風に煽られさらに波の力も加わりノアはぐわんぐわん回転しながら航海していった。 ―――6時間後。 「とうとう津波が来るらしい」 「もうすでに苦労しまくっているのに」 「呑み込まれたらどうなるんスかねぇ。もうすでそんな状態だけど」 ―――ぐおおおおお。ノアは沈み込み海の圧力により変形し、潰れた。 みんな死んだのか…。 羽田野が目を開ける。群衆の声が聞こえる。ここは町? ちょうど街路樹の下の花壇にうずくまっていた。 ―――裏下北沢 ―――ホモ死すべし ―――Go is God 「看板がおかしい。あの下北沢は同性愛者に優しい町だったのに」 歩いて行くとアダルトビデオ店に入った。ノンケ向けが無い。 「お、開いてんじゃーん」 野獣先輩と三浦だ。お揃いの服を着ている。恋人同士かよ。 「羽田野、びくびくしてるし顔色悪いな。アイスティーでもおごろうか?」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!