B2―聖地―

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ならば、その神々を利用し“真”の“神”とやらに成ってみようかと一瞬、考え、 「はッ!!」 零れるように吐き捨てる。 『利用するよりも潰してみる方がより“真”に近い…。』 浮かぶ内心の呟きと嘲笑。 この醜悪で驕った贋物の神とやらを一掃し、新たに浄めた地下と云う世界の一部で“ただ一人の清き者”と成る事の方が有益と夢想し……。 ―唐突に目が覚めた。― 見慣れた天井。 「………………………。」 明るい日射しが差すだけの凍えた室内。 ベッドから上体だけ落ちた寝相の体。 「……………おぉ…う…?」 寝起きの口から漸く上がる…間の抜けた声。 「初…夢……?ッ!!おわッ!!」 年明けて、“元日” “富士”や“鷹”や“茄子”の縁起物が出るどころか、下手に他人に語る事もできない初夢を見た俺は、呟きの言葉と共にベッドに残っていた体を見事に床へと落とした。 ━━━━━━━━━━━━━ 【承】ゆな
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