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『海』
それは様々な『ハジマリ』を表す物。
それは人の心であり、生命を育む物である。
そんな海に一人の少年が下半身を水の中に浸らせ、ぼうっと、何処か寂しげな瞳の色で虚空を見詰めている。
少年は裸だ。
まるで、自分が今ここで生まれた事を表現し、主張するかの如く、華奢な裸体を外界へと晒している。
所々には白い水滴が、少年の心を表すかのように垂れており、その水滴たち一つ一つが、自らの故郷へと戻るようにして、『海』の表面へと波紋を描き、落ちていく。
少年の立つ場所は白い。
『海』そのものが白いのだろう。空ですら平凡な蒼や黒ではなく、緑という奇妙な色遣いなのだ。
生物の気配はない。
まるで少年の世界だと言うような、少年を基盤として成り立っていると錯覚されるような『海』なのだ。
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【起】あぐぐ
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