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街の灯りは点々とし、息を吹けば今にも消えてしまいそうだった。
街灯もなく、月は雲に隠れている。
俺は歩いていた。
静寂の中に響くのは、ただ俺の息づかいのみ。
自分がどこを歩いているのか、そして何を探し求めているのか、それすらも分からない。
ただ俺は歩いていた。
淡く儚い灯りだけを頼りに、何かに導かれるように。
何かを忘れている。
俺はただそれだけを覚えていた。
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【承】夜霧 碧
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