あれはそう……

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街の灯りは点々とし、息を吹けば今にも消えてしまいそうだった。 街灯もなく、月は雲に隠れている。 俺は歩いていた。 静寂の中に響くのは、ただ俺の息づかいのみ。 自分がどこを歩いているのか、そして何を探し求めているのか、それすらも分からない。 ただ俺は歩いていた。 淡く儚い灯りだけを頼りに、何かに導かれるように。 何かを忘れている。 俺はただそれだけを覚えていた。 ━━━━━━━━━━━━━ 【承】夜霧 碧
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