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俺だって好きで人付き合いが悪いわけじゃない。
そもそも、お前らがキョリをとっているんだろう。
左目の視界の悪さには、さすがにもう慣れた。
白い眼帯で隠された、顔面の左側はもういつぐらいから人に見せていないだろうか。
別に故意に見せたいわけじゃない。
見せたところで騒ぎ立てるのは、どうせ周りのバカばっかりなんだから。
正直、学校に来るのが億劫で仕方がなかった。
俺は陰口を言われるために学校に来ているんじゃない。
でも、毎朝母さんに見送られてしまうと、休みたいとは言えなかったんだ。
母さんだけが、こんな俺をわかってくれてる。
過剰すぎるような愛情も俺にはありがたかった。
「澤井くん、プリント回収してもいい?」
「え?あぁ…、おう。」
ぶっきらぼうな態度をとってしまうのは俺が悪いんだと思う。
でもさ、そうさせてるのは少なくとも周りのやつらなんだ。
やつらはそうさせておいて、後で陰口を叩くんだからたまったもんじゃない。
さっき話しかけてきた女子が俺から離れた直後に、女子グループの輪に戻って
陰口を、あたかも本人に聞かせるかのように言う。
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