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そして冒頭
厨房にはカチャカチャと泡立て器がボウルと触れ合う音とテレビから聞こえる女性の声が響いていた。
「何が悲しくて自分のバレンタインケーキを自分で焼かないかんのかのう」
「あら、このレシピの分量は私が計算して出したんだから、ちゃんと私からのバレンタインになるわ」
それに作る過程も一緒に出来るのは素敵じゃない?と上機嫌に宣う姿に返したい言葉は山程あるがあえて口を閉ざしてため息をついた。
「それに、バレンタインって文化に触れてみたかったもの。」
「意外じゃのう。お主なら既に鈴々にやってそうじゃが」
彼女の所有者である少女を思い出す。あの脱力しきった少女の女子力向上をはかる彼女が、バレンタインというイベントに今までノータッチだったとは信じがたい。
「え、何で鈴々にあげるの?」
菫色の瞳は軽く見開き、金色の髪が肩で揺れる。画面いっぱいの疑問符の中で金はごく一般的な事実を告げるように続けた。
「だって、バレンタインって好きな人に対して贈り物をする日なんでしょう?」
その時、何故か小型テレビが入っていた箱に一枚のカードが同封されていることに気づいた。花柄のそれには筆記体でHappy Valentineと印刷されていた。
***
歯切れ悪くて申し訳ない
とりあえず以上です
バレンタインバレンタインぽくを目指したのにどうしてこうなった
七個集めたら文才になる球探してきま
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