4月

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俺は軽い深呼吸をすると経済学部経済学科のクラス発表の掲示板に尚と向かう。 過去の結果はどうにせよ、ここが俺の四年間であることは間違いない。 「うそーん、陽人と俺違うクラスだわー」 尚はおちゃらけて頭を抱えた。 「まあ、いいじゃん。同じ授業とればさ」 尚は一番難関な法学部も受験できる学力。 しかし、何故か同じ経済学部しか受けていなかった。 一年から専門課程が始まり、難関な授業の法学部より、最初は教養だけという古い学部というかスローリーな経済学部を受験したのか。 それとも意識して同じ学部にしてくれたのか分からなかったし、聞いていなかった。 俺は尚がいるが、一人も友人がいなくて入学した人達は本当に心寂しく、孤独なスタートなんだなと少々センチメンタルな気持ちになっていた。
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