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それは、つい出てしまった言葉。
やはり俺は寂しいし、悔しいのだ。
ナイアも白騎士も、俺が意識を失っている間に居なくなってしまった。
「俺…お前らを本当に救えたのかな?」
2人とも自分で決めた道だ。
俺が、今更、とやかく言う事ではないのかもしれない。
バカ騒ぎしていた仲間達も、少し悲しそうな雰囲気になる。
「マスター…白騎士とナイアさんの事…後悔してるんですか?」
「そりゃあね…」
2人は俺よりも遥かに長く生きている。そこで、ようやく見つけた答えなのだろう。
しかし、それが本当に2人の幸せなのかと聞かれれば、俺には幸せとは思えない。
2人が本当に望んでいたもの、それは今のような仲間に囲まれた日常だったはずなのだ。
「…ああ。俺は本当にダメダメだよ。何が俺も一緒に罪を背負ってやるだよ…置いていかれちまった…」
そんなありふれた日常を手にしたいがために頑張っている2人は、終わりのない戦いに身を捧げた。
…戦って戦って戦って戦って戦って…永遠に戦い続けても、その先に2人の本当に望む未来はない。
そんなの悲しいじゃないか!一番、頑張っている2人が幸せになれないなんて許せる筈がないじゃないか!
白騎士は二度と大好きな仲間達からマスターとは呼んで貰える事はない。
だというのに、何もしてない俺は、のうのうと日々を満喫している。
俺だけが、楽しく生きていってもよいのだろうか?
このままじゃ、俺はこれからも2人のことを考えて、心の底から笑う事は出来ないだろう…。
…あ、うん。少しだけ民衆の前でハシャいでしまったけどさ。
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