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デストロイとグリモアは互いに目を見つめて頷きあう。
「ああ…降伏するしかないな…その変わりグリモアの安全だけは頼む!」
「いえ!私ならどうなっても構いません。マスターだけは!」
お互いに庇い合う2人。美しい光景なんだろうけど…美男美女がやってるのを見ると、なんていうか…そう、リア充爆発しろみたいな感情が沸き起こる。
そりゃ《浄化》で魂消滅しそうになるわな。俺の魂…真っ黒ですわ。
「あっはっは!君らは何もわかってないね。君には僕らにお願いする権利なんてないんだよ!」
更に、デストロイ山田に蹴りを入れるキムチャ。
「ぐは!?」
ええ…キムチャ…正に外道!
確かに爆発しろとは思ったけどさ……。
心が妙に爽やかなのは気のせいだろう。…俺の魂…腐ってる?
「マスター!大丈夫ですか!?…私になら何をしても構いません。ですからマスターには!」
キムチャとデストロイの間に入るグリモア。
「あっはっは!2人とも全くわかってないな…庇い合うなんて綺麗事…虫唾が走るよおおおお!!」
キムチャがイラついているのが分かる。
「あああ!!庇い合う2人を殺したいいいい!…あはっ!2人を試すデスゲームを思いついた!…これで愛し合う2人を絶望させられる…あっはっはっはっ!」
恐怖に脅える2人。
俺はククリに抱かれてる今、流石に漏らさずに我慢した。
俺だってやれば出来る子なんだよ。
「ああ…でも今は我慢しよう…僕は我慢出来るいい子なんだよ。」
俺もキムチャもやれば出来る子だった。
「このマスターは意外と頭が切れて運がいい。君達を助ける事が更なる絶望を生み出す布石だと思えば我慢できる…あはっ!君達良かったね!生き残れそうだよ!」
キムチャがにっこり2人に笑いかけ俺を振り返る。
「僕には、この2人を仲間にする利点が見つからないけど、マスターには何か考えがあるんだろ?」
えっ!今まで空気だった俺に急に話をふるなよ!
今まで勝手に話が進んでたけど…俺…何も考えてないよ?
「でも、ダンジョンマスターがダンジョンマスターを従えるなんて聞いた事ないから《契約》でどうなるか楽しみではあるんだよね~。」
とりあえず、どうなるか解らんが《契約》してみるか。
ちょうど契約者の姿になってるしね。
デストロイ山田の前に立つ俺。
では改めてもう1度言おう。
「僕と契約して魔法少女になってよ!」
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