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「さあ!グリモア。君も一緒に素敵な世界へ飛び出そう!さあ、マスター《契約》をお願いします。」
「ああ…山田が壊れてしまった…」
グリモアは絶望した顔で呆然としている。
次はグリモアとの契約だ。
ん?美女の変身?…やっときたああああああああ!
美女が裸でクルクル回る?
…最高だああああああああ!
俺はテンションマックスだった。変身シーンが楽しみでしかたがなかったんだ。
しかし…契約によりグリモアは変身しなかった…。
なぜ?…なぜ、女性は変身…し…な…い…
「何で需要の少ない男の変態シーンばかりなんだよおおお!」
「こんなの…誰が喜ぶんだよおおおお!」
俺は血の涙を流して吐血しながら魂の限り雄叫びをあげた。
「多分だけど…《契約》の隠された力を解放する効果の影響だと思うよ。」
隠された力…こわっ!力っていうより隠された性癖が出ちゃってるじゃん。
「…俺も解放されたら変態になるのかな…?」
「ふふふ、笑わせないでよ。マスターは既に解放された変態じゃないの」
ナイアが俺の事をどう思っているのか…よ~くわかった。
「あっはっは!ねえ、変態マスターはこの変態共をどうするの?」
俺が変態なのは確定事項なんだね。
さて、何か2人を上手く使える方法はないだろうか?
ダンジョンが2つあれば戦略の幅は広がる。
「うーん。このダンジョンを討伐せず残すことは王様の勅命だからできないしなあ…」
このままダンジョンを残せば、王国との全面対決となるだろう。
だからといって殺す必要もない。
ならば戦力にはならないが、移動してもらうしかないな。
「異界にまでは行けないだろうが…コレ使ってみようか?」
取り出したのは世界の意思から貰った『次元渡り』。これで彼らを飛ばしてみよう。
まあ、ここにいたら間違いなく殺されるだろうから、幾分かはマシだろう。
「じゃあね!向こうでも元気でね!…どこに辿り着くかはわからないけど…」
「いや、充分です。我がマスターに恩を返せないのは申し訳ないが…僕は今度こそグリモアと幸せになるよ。」
隣でグリモアが恥ずかしそうにしている。
次元渡りに魔力を流して2人に切りかかる。
あっ!…勢い余ってナイアも切ってしまった。
「えっ?私、巻き込まれてる?」
徐々に消えていく3人。…俺、完全にやっちまったよ。
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