ダンジョンを攻略しよう。

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「ぐおお!飛ばされてたまるかああ!」 ナイアは必死に抵抗しているが少しずつ消えていく。 「何とかならないのか!?キムチャ!ククリ!」 「…残念だけど無理だね。君の刀は魔法とは違った力が働いてる。どうしようもない。」 「ごめんなさい。無理です…」 勇者が3人もいるのにどうしようもないなんて… 「ナイア…ごめん!俺が馬鹿なばかりに!」 ナイアはダンジョンマスターになってからずっと俺を助けてくれた一番大事な仲間だ。 「ならば!分裂じゃああああ!」 しかし、分裂したナイアも同じように消えかかっていた。 「やはり駄目かあ…ナナイ…謝らなくていいから消えるまでの時間、話をしようよ。」 ナイアは、情けない声を出しながら俺ににっこり笑い話を始めた。 「ナナイは自分への評価が低いでしょ?」 俺が、ティナに泣きついた日の事をいっているのだろう。 「確かに失禁するは、超のつく変態でスケベだわ、ダンジョン作成の才能もない。今だってナナイのミスで私が消えそうだしさ…」 やべえ…俺死のう。 いい所ないじゃないか。最後だというのになぜ俺を凹ませるのだろうか? 「でもね…そんなの些細な事。私も、他の皆もナナイの良さをわかってるんだよ。」 俺の良さってなんだろうか? こんな駄目な野郎にもあるのだろうか? 「ナナイは、記憶を無くして怖いはずなのに、いつも周囲の人の幸せを考えている。」 それは違う。俺は大切な人を失うのが怖いだけだ。俺なんかの下で頑張ってくれている皆に幸せになって欲しいだけなんだ。 「そして、あなたのその考えによって救われた人達がいる。それは事実なの。ナナイはそんな皆の希望なのよ。」 重いプレッシャーが肩にのしかかってきた気がした。 「知ってる?街でナナイは奴隷の希望って呼ばれてるんだよ。」 俺は泣きじゃくってナイアにしがみつく。 「俺なんかには皆を救うことなんて無理だよ!今だっていっぱいいっぱいなのに!それに、ナイアがいなくなったら…」 「でもね…ナナイには仲間がいる。貴方が助けたように皆もナナイを助けたいと思ってくれてるの。ナナイもわかってるでしょう?」 奴隷達はたまたま、闘技場の運営に必要だっただけで助けたなんて気持ちは一切ない。
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