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「はああ…昨日の俺の涙は何だったんだよ。」
当のナイアは、嬉しそうにご飯を食べている。因みに5回目のおかわりを平らげた所だ。
「ナナイは私がいないと本当に駄目なんですね~。」
ニヤニヤ笑いながら俺の頬を箸でつつきやがった。
やべえ…この世界に来て初めて殺意が芽生えた。
…殺っちまうか?
しかし、相手は腐ってもZランク。
…残念ながら返り討ち確定です…。
悔しい…これが覆せないヒエラルギー。食物連鎖で言えば俺はゴキブリでナイアはライオンだ。
ちきしょー!ゴキブリの生命力をなめるなよ!
「んん~?ナナイはどうやって私に世界を捧げてくれるのかしら?ねえねえ?」
にんまりとした笑顔で這い寄る混沌。
うぜええええええ!
とびっきりのうざさを発揮するナイア。
なに称号上手く使ってるんだよ!
キムチャがニヤニヤと語りかけてきた。
「僕はマスターの決意を聞いたよ?約束したからには守らないと男が廃るよねえ…?」
…一番、面倒な奴に聞かれてしまった。
「どうやるの世界征服?具体的な作戦は?僕としては全世界に宣戦布告するのがお勧めだよ。」
そんな事したら即、ダンジョン潰されるじゃねえかよ!
「その案は最高ですね!Let's 皆殺しですね!」
ですね!じゃないよ!どSが2人いると本当に疲れます。
「はあ…具体的には、このまま闘技場を経営を続けて力をつけつつ、まずは国に協力して『魔王』を倒そうと思うよ。」
「消極的な方法だなあ…でも、うん悪くない…むしろいいね!」
「少しずつダンジョンと国の共倒れを狙いつつ、最後に力を温存したマスターが漁夫の利で全て倒してしまうと…鬼畜すぎですよ!ナナイ!」
ええ!そこまで考えてなかったよ!
「あっはっは!全ての勢力が疲弊した所で、僕達の新勢力が全てをなぎ倒す…あっはっは!いいね!ゾクゾクするよ!」
勝手に盛り上がる鬼畜2人組み。
この2人はドS同士で妙に気が合うんだよな。
「ご主人様は…やはり恐ろしい方なのですね。でも世界征服には仕方ないですものね…」
ティナが恐ろしい物でも見るように俺を見てくる。
ああ…勘違いしないで欲しい。鬼畜なのは2人、俺は善良な一般人なんだよ?
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