ダンジョンを作ろう。

8/19
35431人が本棚に入れています
本棚に追加
/562ページ
悔しい!ついにぴちゅんもしてもらえない。 「混沌は、静止ではないが活発でもない状態ともいえますわ。」 まだ説明が続いている。 「ノッタリノッタリぐにょぐにょうごめいているイメージですわ」 何そのナイア?ああ…彼女は混沌の神ですものね。 「ありがとう。何となく混沌がわかった気がするよ。」 つまり何だかよく分からない物なんだね。 イメージが湧いたのでダンジョンを作成する事にする。 俺だけの混沌とした世界を造ってやろうじゃないか。 「今から作るからカグラの感想を聞かせてよ。」 「…しょうがありませんわね。つきあって差し上げますわよ。」 何だかんだで俺に甘いカグラたん。 「まずは1階層を大部屋(大)にして混沌属性付与。承認!」 現れた空間は明るくも暗くもなく、上下すらない。 「なっ!なんですのここ!?地面はどっちですの!?しかも身体が浮いてる?」 ましてや上下前後左右などの方向はなく、重量さえない。 「ん?カグラが教えてくれたんじゃん。『混沌』とは天と地が別れる前の状態だって。」 「何これ?身体の周りに何かまとわりついていますわ…」 火のダンジョンなら火が巻き起こる。水なら水が多くあるだろう。雷なら放電してパリパリしている筈だ。 カグラにまとわりつく物、それは『混沌』だ。 名前すらないエネルギー体。身体の動きを制限する効果と、混沌属性を持つ者に力を与える効果がある。 「何ここ…凄く不快ですわ…そしてマスターの動きも…」 なんか俺の身体がビクンビクンしている。 なんかこのネトネト…執拗に俺にまとわりついてくる。 まるで薄く伸ばしたナイアに包み込まれている感覚だ。 でも不快感はない。 むしろ薄く伸ばしたナイアってなんだよ! 「俺は…なんか居心地がいいな…」 こうしてダンジョンの内部構造は整った。 混沌ダンジョン… 上下どころか前後すら分からない空間だ。…下手な迷路より迷うだろう。 後は、混沌空間に合うモンスターをどうするかだ。
/562ページ

最初のコメントを投稿しよう!