ダンジョンを作ろう。

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ダンジョンの準備が出来た為、俺はリクームさんの屋敷に駆け込んだ。 「大変です。私の闘技場の敷地内にダンジョンが出現しました!」 因みにダンジョンの入り口は敷地の片隅に移動してある。 まあ、本当は敷地も闘技場も全部がダンジョンなんですけどね! 「何!?街の中にダンジョンを造るとはふてぶてしいマスターがいたものだな!」 はい…私ですね。確かに最近、お腹が出て来た気がするよ。 「すぐに全軍に召集をかける。初期ダンジョンなど直ぐに潰してくれる。」 ちょっ!そんな事したらすぐにダンジョン潰されちゃう。 「ちょっと待って下さい。俺に名案があります。」 慌てて呼びとめると、待っていたかのように振り返るリクームさん。 「ふっ…、ナナイ君の事だ。対策も考えていると思ったよ。はっはっはっ!」 豪快な笑いがこだまする。 「実はダンジョンを既に地下3階まで警備兵に探索させたのですが、中のモンスターは弱く初心者向きとなっています。」 「ふむ…なる程、ダンジョンを利用して冒険者のレベル底上げにしようというわけだな。…確かに国力増加には繋がるな。…ダンジョンからモンスターが溢れ出たらどうする?」 「それは…我が優秀な警備兵が常に見張りをして防ぎます。」 腕を組んで唸るリクームさん。悩んでいるようだ。 当然だ。ダンジョンが街中にあるということは爆弾を抱えているような物だ。 「あっはっはっはっ!リクーム殿…勝手に失礼させて貰ったよ。」 突然、会談の場所に入って来たのはキムチャであった。 「ヤムチャ殿!勝手に入るなど失礼極まりないぞ!」 キムチャを睨むリクームさん。明らかに嫌悪感が滲み出ている。 流石は4大貴族。キムチャの悪い噂を知っているのだろう。 「ああ…僕は改名して今はキムチャと名のっているから。改めてよろしくね。」 「貴様の名前などどうでもよいわ!何しに来おった?」 益々、嫌そうな顔でキムチャを睨んでいる。 「まあ、睨まないでよ。そんな奴の言うこと聞かないで、さっさと潰した方が身のためだよ。忠告さ。」 おのれ!キムチャめ!easyモードからhardモードにしようと企んでやがる。 外道め! 「ふんっ!キムチャ…何を考えているか分からぬが…いつでも貴様の思い通りにいくと思うなよ…」 俺に振り返り笑顔でリクームさんは言った。 「ナナイ殿。ダンジョンの件は貴殿に一任しよう。」 よっしゃ!easyモード突入!
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