知らない部屋

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さてと、すっきりした所で冷静になる。 俺を閉じ込めた野郎はぶち殺すと心に決めて。 改めて部屋を見渡すと机の上に一枚の紙がある。 なになに? 『異世界より召喚されたし、ダンジョンマスターの皆様方へ。 貴方はこれより一ヶ月の間、ダンジョンを製作して頂きます。 それを補佐致します道具は、この手紙を読み終えた後に贈呈しますので御安心下さい。 無論、自給自足の生活となりますので、良く考えて創るよう進言致します。 尚、一ヶ月後にはダンジョンが開放されて、皆様方ダンジョンマスターが持つ秘宝を狙い、命を奪おうと攻めてくる者達がいます。防衛面を徹底的に強化しておくと良いでしょう。 また、ダンジョン外の生物を殺しますと、ダンジョン作成に必要なポイントに変換されます。相手の強さによりポイントは変動しますので、積極的に殺しましょう。 貴方は初心者と言う事もあり、防御能力皆無の麻布で作られたノービス装備ですが、御自身のレベルが上がれば、より強力な装備を生み出せるので御安心下さい。 尚、貴方が以前暮らしていた世界での情報を消去し、現在はノーネームとなっておりますので好きに御名乗り下さい。 ステータスを閲覧したい場合は、“ステータス確認”と唱える事により可能となっております。 それでは、皆様方に健やかなダンジョンライフが訪れる事を心より願い、ダンジョン作成に必要なポイントを1000ポイント贈呈させて頂きます。 追伸。空気は問題無いので御安心下さい。また、この紙は読み終えた後に燃える為、大変危険ですので一時的に距離を取る事を御勧め致します』 これが本当ならば、ここは俺の部屋という事になる…尿でびっちゃびちゃじゃん。因果応報ってこういう事ね。 読み終えて少しぼんやりしていると手の中で燃え始める羊皮紙… 「ぎゃああぁぁ!!服に…服に燃え移ったぁぁ!!」 服は麻で出来ている。初めて知ったが…麻ってよく燃えるのね。 腰を抜かしながらも慌てて紙を投げ捨てる。 何とか服に付いた火を消そうと床を転げ回る。幸いに床は濡れている。 火達磨になりながら、尿でびちゃびちゃの床を転げ回る。 そして服が燃え落ち全裸になる俺。 「だおおお!足の小指がああ!!」 転げまわってた時に小指をぶつけた。衝撃で机も崩れて俺の上に倒れてきた。 「ぎやああ!臭い!痛い!なんかもう…辛いいぃぃー!」 …泣いた。
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