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羊皮紙は元々濡れていた為、火自体は弱かった。
まともに燃えていたら大火傷だったろう。
羊皮紙は水溜まりに落ち、燃え尽きずに残っている。その下には、黒い本がいつの間にか出現していた。
「ふう…ここが俺の部屋になるのか…」
見渡すとかなり混沌とした状況である。調子に乗らなきゃよかった。
ベッドにある藁で身体を拭き取り黒い本を読むことにする。
「とりあえずベッドと椅子以外は使い物にならんな‥それ以外を還元!」
『羊皮紙と残骸を101ポイントで還元しますか?』
部屋の中に響き渡る機械的な声。
「承認」
ルールに基づき還元を試してみる。するとベッドと椅子以外は消える。
ああ…床は濡れたままだ…流石に還元してもらえませんでした。
黄金水だぞ!何故還元されん!
ごめんなさい。価値などある訳ないですね。とりあえず、床をどうにかしないと…
黒い本の生活の項を見る。
掃除セット1Pでバケツ、箒、雑巾、ちりとり、はたきの5点セット。
これにしよう。
異世界にきて初めての召喚が掃除セットって…
『1ポイント使用して掃除セットを召喚しますか?』
「承認!」
目の前に一瞬で現れた何の変哲もない掃除道具。早速掃除をしようとするが水場がない。
生活空間を確保せねば…トイレ…キッチン…風呂…黒本を読み漁る。
そこで一つ目に付く、初心者住居セット?
そこにはこう書かれていた。
超お得!6畳1間にキッチン、ユニットバス付きで10P!
貧乏学生並みですね。
「承認!」
すると部屋に扉が現れた。
中に入ると6畳の部屋。
更にキッチンとユニットバスがある。
ああ…トイレ…
万感の思いで便器に頬擦りする。
これを求めていた!!何故最初からついていないのだ!
…改めて掃除をして落ち着いた。
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