ただいま。

5/6
前へ
/562ページ
次へ
「お兄ちゃん…。薄々、気づいていたんだけど…今回の事で確信したよ!」 ダンジョンへ帰る途中、ククリが犯人はお前だ!と言わんばかりに俺を指を指して言った。 「人前で裸になって、あんな卑猥な表情で叫ぶだなんて…お兄ちゃんは間違いなく変態です!」 間違いなく変態です! 間違いなく変態です! お兄ちゃんは間違いなく変態です! もう一つオマケに変態です♪ …なんて事だ…ククリに変態だと勘違いされてしまった。 《マスターは己にやましいことはないと、民衆に全てを晒け出したのだよ。》 素晴らしい言い訳をありがとう…ポチ。 「…えっ?そうなの?やましい気持ちでやったわけじゃなかったの?」 ククリが困惑した顔で周囲を見渡している。そうだ!いいぞ。もっと言ってやれ! 「じゃが、人はそれを変態と呼ぶのじゃ。」 「いやぁああ!!ルル様ぁ!バラさないでぇええ!」 流石はルルイエ異本…幼女の姿をしなからも本質がしっかり見えている。 「変態…早く治るといいね…」 納得した表情で頷いたククリは、泣き崩れる俺を、そっと抱きしめてくれた。 ククリ…それ病気じゃないから治らないんだ…   …………… 「さて、マスター。そろそろ遊んでないで帰りますわよ。」 「あっはっはっは!一週間、サボっていたから色々問題が山積みになってるみたいだよ~」 「まじで!?俺…遊んでた訳じゃないんだけど…むしろ、問題ってなに?」 「マスターが居ないからアベードが精力を持て余して大変なことに…」 「えっ!?それを俺にどうしろっていうの!?」 仲間は皆、楽しそうにしている。そんな様子を見ていると俺も楽しくなってくる。 もう悪魔は攻めてこない。魔王だって仲間だし、五カ国も協力関係だ。 この世界には、もう俺達を脅かす存在はいないのだ。きっと、この平穏で楽しい日々は続いていくだろう。 仲間に囲まれてワイワイ盛り上がるのは楽しい。 だからこそ気づいてしまう。 楽しい輪の中に足りない人物に… それは、本当ならこんな楽しい輪の中であれば一番はしゃぐ人物。 こんな混沌とした状況が大好きな奴だ… 「ナイア…お前は今、どこにいるんだ?」 だから言ってしまったんだ 輪の中に足りない人物の名前を…
/562ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35434人が本棚に入れています
本棚に追加