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「お兄ちゃん…。薄々、気づいていたんだけど…今回の事で確信したよ!」
ダンジョンへ帰る途中、ククリが犯人はお前だ!と言わんばかりに俺を指を指して言った。
「人前で裸になって、あんな卑猥な表情で叫ぶだなんて…お兄ちゃんは間違いなく変態です!」
間違いなく変態です!
間違いなく変態です!
お兄ちゃんは間違いなく変態です!
もう一つオマケに変態です♪
…なんて事だ…ククリに変態だと勘違いされてしまった。
《マスターは己にやましいことはないと、民衆に全てを晒け出したのだよ。》
素晴らしい言い訳をありがとう…ポチ。
「…えっ?そうなの?やましい気持ちでやったわけじゃなかったの?」
ククリが困惑した顔で周囲を見渡している。そうだ!いいぞ。もっと言ってやれ!
「じゃが、人はそれを変態と呼ぶのじゃ。」
「いやぁああ!!ルル様ぁ!バラさないでぇええ!」
流石はルルイエ異本…幼女の姿をしなからも本質がしっかり見えている。
「変態…早く治るといいね…」
納得した表情で頷いたククリは、泣き崩れる俺を、そっと抱きしめてくれた。
ククリ…それ病気じゃないから治らないんだ…
……………
「さて、マスター。そろそろ遊んでないで帰りますわよ。」
「あっはっはっは!一週間、サボっていたから色々問題が山積みになってるみたいだよ~」
「まじで!?俺…遊んでた訳じゃないんだけど…むしろ、問題ってなに?」
「マスターが居ないからアベードが精力を持て余して大変なことに…」
「えっ!?それを俺にどうしろっていうの!?」
仲間は皆、楽しそうにしている。そんな様子を見ていると俺も楽しくなってくる。
もう悪魔は攻めてこない。魔王だって仲間だし、五カ国も協力関係だ。
この世界には、もう俺達を脅かす存在はいないのだ。きっと、この平穏で楽しい日々は続いていくだろう。
仲間に囲まれてワイワイ盛り上がるのは楽しい。
だからこそ気づいてしまう。
楽しい輪の中に足りない人物に…
それは、本当ならこんな楽しい輪の中であれば一番はしゃぐ人物。
こんな混沌とした状況が大好きな奴だ…
「ナイア…お前は今、どこにいるんだ?」
だから言ってしまったんだ
輪の中に足りない人物の名前を…
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