犬猿-暫定措置

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應治と電話で話してから一週間。 あの時の衝撃は少し薄れたけれど、ジワジワと湧き上がって来る嫌悪感や苛立ちは日を重ねれば重ねるほど蓄積されて私の精神を蝕む。 仕事には支障がない様に気を付けてはいるが、皆は私がいつもと違う事に気が付いていて腫物を触るように扱う。 でもそんな中、大地だけはマイペースだ。 「咲楽さーん、ご飯食べに行こうよ。」 「煩い。」 「じゃあ美味しいお酒飲みに行こうよ。」 「黙れ。」 「デート…」 「帰れ。」 「咲楽さんのいけず。」 ぶうぶう文句を言う大地はバイトちゃんが持ってきたあんみつを一瞬で平らげて私の淹れたお茶を美味しそうにすする。
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