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小高い丘の上から戦場を眺めて、ため息と大きい欠伸。
何が伝説の竜だ。
何が戦争だ。
「……」
赤い絵の具と緑の絵の具を、馬鹿みたいにまき散らしてるだけ。
あの竜だって、吐いてるのはただの絵の具だ。
人を踏まないように傷つけないように必死な姿は何とも間抜けで。
「本当、どうしようもないな。この世界は」
異世界から呼ばれた伝説の勇者。
戦乱渦巻く世界を平和に導く救世主。
最初はそんな使命に胸を躍らせていたけれど。
「ただ色を塗り合うだけ。こんな事を本気でやってるなんて、十分平和だろ」
伝説の勇者筆と伝説の勇者パレットを適当に弄りながら、もう一度、大きなため息と大きな欠伸。
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