出逢いは突然

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結局その後、いつもの様に仕事をこなし、いつの間にか時計は20時前になっていた。 「お前まだ残んの?」 帰り支度を済ませた山口が声をかけてきた。 「うん。もうちょっと残るつもり。」 「そんな事ばっかりしてるから『俺と仕事とどっちが大事なんだ』とか言われて男に逃げられるんやぞ。」 肩をすくめて大げさにため息をつく山口のお腹に肘鉄を入れた。 「うるさい!いいの。 別に恋愛なんて必要ないし。 仕事の邪魔になるくらいなら必要ないの。」 「お前男じゃないんやから……。」 「うるさいってば。最近の男が情けないんやろ!?」 パソコンから目を放す事なく、仕事を続けながら私は山口と会話をしていた。 「お前が男前過ぎなんやってば。」 「それ褒め言葉と取らせてもらいます。」 ちらっと視線をあげ山口を見て、投げ捨てる様に言うと、山口をシッシっと猫にでもする様に追い払った。
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