仕事≫恋

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「織愛、お前ほんとに俺の事好きなのか?」 仕事終わりに彼氏に呼び出された駅前のカフェ。 「へ?急にどうしたん?」 決して順風満帆な付き合いではなかったが、私は特に不満を感じてはいなかったし、相手もなんだかんだいいながらも、私の仕事の忙しさに理解をしてくれていたはずだった……。 「俺と仕事どっちか大事か考えて欲しい。」 目の前に座る彼は、見た事もないような悲しそうな微笑みを浮かべていた。 「それって……」 「ごめん。織愛が仕事好きなのも分かってる。 でも俺、お前に思われてる自信がないんだ。」 突然訪れた恋の終わり。 でもなぜだろう? 涙も出なければ、引き留める言葉すら出なかった。 「ごめん、仕事優先は変えられない……。」 代わりに私の口から出た言葉に彼は『そうだと思った。』とまた悲しそうに笑った。 あ~やっぱり恋なんて、今の私には無理なんだ。 仕事が楽しくてしょうがない私にとって、恋愛は不向きなんだと確信した。 就職してこれで3度目。 1年続いた恋が終わりを告げた。 窓の外には楽しそうに行き交うカップル。 目の前にはさっきまで座っていた彼の姿はなかった。 あるのはまだ温かい、湯気を立てた飲みかけのホットコーヒーだけだった。
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