おまけ

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 写真に写る人物を見た瞬間、あたしは悲鳴をあげそうになった。なんとか叫び声を飲み込んで、写真を凝視してしまう。  そこにいたのは笑顔の彼女――可愛い息子を産んだ人、彼の前妻。  ああ、ああ。  どうすればいいのだろう。あたしは目の前が真っ暗になる感じがした。  身体が弱い親友の彼女は、長くは生きられないと知っていた。子供を産めば、命が脅(おびや)かされることはわかっていた。だから、避妊していた二人に子供ができたのはあたしがきっかけ。  産みたいけど産めない。まだ生きたい。でも、彼の子供が欲しい。どうするべきか迷う彼女の背中を押したのはあたしだ。
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