おまけ

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 素直な気持ちで背中を押せたかというとそうじゃない。優しさなんてなかった気がする。親友なのに、あたしは彼女に腹が立ったのだ。  子供が産めないあたしは、羨ましいとか、ずるいとか思う心があった。身体が弱いといっても、今まで元気に生きてきてるじゃない。  それにあたしは、彼女の夫に好意を寄せていた。なんであたしじゃなくて、あなたが選ばれたの? 羨ましくて、嫉妬した。  親友が生きた証。  なんてそんなことだけを理由に、結婚したわけじゃない。もちろんそれもあるけれど、子供が欲しかった。彼と結婚したかった。  あたしはずるい。  あたしはひどい人物だ。笑いかけながら、彼女を妬(ねた)んでいたのだから。
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