おまけ

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 彼女は亡くなってから、あたしの汚い部分を知って、怒って、恨んで写真に写るのかもしれない。  写真を見たらすごくお似合いの家族が並んでいる。彼女は透明だけど、あたしの居場所なんてないみたいに家族の空間ができている。  あたしが邪魔者なんだ。  でも、息子を手離したくない。彼と離婚したくない。  渡さない、渡さない。幽霊に連れてなんか行かせない!  いくら写真を見たら、あたし抜きで家族が完成しているように見えても、もう彼女は亡くなったんだから! こんな写真は捨ててしまおう。必要ない家族写真なんだもの。  びりびり、びりびり。  ぐしゃり、ぐしゃぐしゃ。
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