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「なんで、どうして? 私は悪くないのに、悪くないわよ」
お母さんがぶつぶつ何かを口にする。ぼくが拾った写真には、やっぱりあの女の人が写っていた。
別にすごく怖い顔をしてるわけじゃない。なぜかぼくの隣で笑顔を浮かべて立っているだけだ。
よくテレビとかで見る怖いのとはなんだか雰囲気が違うのに、お母さんはなんで怖がって悲鳴をあげるんだろう? ぼくが見慣れちゃっただけなのかな?
でも、本当に怖くないのに――……。
「はい、お母さん」
「あ、ありがとう。早く捨てなくちゃ、こんなもの」
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