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約束を破ったらいけない。
指切りしたし、お母さん……泣くかもしれない。ううん、写真を見た時と同じように真っ青な顔になるかもしれない。
「やっぱり、なんでもない」
答えられずにぼくは口を閉じた。お父さんが新聞をたたんで立ち上がる。
「お父さんから質問だ。旅行の写真、少なくないか?」
びっくりしてぼくは、手に持っていた鉛筆を落とした。
「撮ったはずなのにない。一枚、二枚ない時がたまにあって気のせいかと思っていたが、今回は五枚も足りないんだ。知っているか?」
確かに五枚もなかったら、気のせいになんてできない。ぼくはどうすればいいか困った。
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