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「うわぁ〰ごっつムカつく!!」
どすどす足音を鳴らして近付けば、ムクリと起き上がりニヤニヤ笑って木刀を肩で担いだ。
「怒ったサチもごっつ可愛ええんやも~ん。」
「何が《も~ん》だよ。三十路男が。」
憎まれ口を叩いても、綺麗で中性的な大人の色気ムンムンの山崎は、実際見た目がかなり若い。
ましてや今朝はいつにも増して婀娜っぽい。
くそぉぉぉ〰っ!乙女がこんなに汗臭いのに、おっさんのこいつが何故こんなに爽やかなんだ!?加齢臭はっ!?加齢臭とは無縁の奇跡の男なのか!?
「勝負だ!山崎この野郎っ!!そのエロ三昧の性根、たたっ斬っちゃるわ!!」
座ったままの山崎の頭目掛けて放った蹴りは、持ち合わせた木刀で受け止められてしまう。
しかし、その木刀は激しい音を鳴らして、真っ二つに折れてしまった。
「〰サチのイケず~。なんで名前で呼ばへんのや~。てか、ちょっとびっくらこいたわ〰。マジ蹴りすんなやぁ~。」
あくまでおふざけの山崎に、幸華の闘志はメラメラと燃え上がる。
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