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実羽!こっちだよー!
早くおいでよ!実羽!
私に向かって大好きなお姉ちゃんと、大好きな圭くんが手を振っている。
暖かい風が私の頬をなでる。
桜の花びらがヒラヒラと降ってくる。
私はその花びらを捕まえようと必死で、二人の声を無視をして
何度も何度もジャンプして、最後の一回と思い大きくジャンプした。
でも、転んでしまい
花びらを捕まえられない悔しさと擦りむいた痛さでわんわん泣いた。
そこにお姉ちゃんと圭くんが駆け寄ってきて、二人とも心配そうな顔で「大丈夫?」と私の顔を覗きこむ。
私は涙が止まらず、お姉ちゃんが優しく頭を撫でてくれて、それでも止まる事を知らない私の涙。
そんな私に圭くんは「はい!」っと薄く淡いピンク色のハートの形をした花びらを手の平にのせてくれた。
その途端、私の涙は嘘だったかのように止まり、ふんわりと笑った。
そんな私を見てお姉ちゃんも圭くんも優しい笑顔をくれた。
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