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私の心とは裏腹に着々と披露宴は進められていく。
二人の馴れ初めや友人代表のお祝いの言葉、二人の幼い頃の写真がスクリーンに映し出される。
とても、嬉しそうな二人。
この式場にきている人達は二人を祝福している。
私を除いては。
私の心の中は黒い靄がかかり、醜い感情が渦を巻いている。
もう、私はココに居られそうにない。
私はトイレへ駆け込んだ。
涙と共に吐き出される胃液。
もう、何日も止まらない吐き気。
私のお腹に宿る“小さな命”も悲鳴をあげているみたい。
この命の存在を今は誰にも知られてはいけない。
私と圭くんの『赤ちゃん』。
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