仮面の真実

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「フームか…?」 「えぇ。大切な用事があって来たの。」 「大切な用事?」 「あなたの身近なものがなくなったりしていない?」 フームの言葉には、僅かにからかいが感じられる。 癪なので、わざと分からないフリをした。 「身近なものとは?」 「例えば…仮面とか。」 「!!何故そなたが知っているのだ?」 「それは、私が今持っているから♪」 それを聞いて危うくドアを開けそうになったが、寸前のところで思いとどまった。 素顔にかなりコンプレックスを感じている私は、仮面を付けないで人前に出ることが嫌いなのだ。 一度大きく深呼吸すると、ドアの向こうにいるフームに尋ねた。
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