はじまり

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 ルミ子は義理の兄が大嫌いだった。  しかし 両親を亡くし、長女が結婚した事で、一家は離散せずに済んでいるのも事実だった。  酒は呑む、自分の会社を自慢ばかりする、他の家族をみんな見下している。姉はあんな人のどこが良くて結婚したのか不思議でならない。  時には酔っ払った義兄に、スカートの中に手を入れられた事もあった。  幸いルミ子の兄シンジが助けたものの、思い出すだけでもゾッとする。  他にもふたりきりになった時、手を握られたり、オッパイに触られたりした事もあった。 「ルミ子。お義兄さんとふたりきりになるな。勉強なら僕の部屋を使え。」  シンジは妹の貞操を真剣に心配していた。
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