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「この家が嫌だったら、ルミ子は結婚すればいい。まだ若いんだし、かわいいから、いい人に出会えるよ。」
シンジは兄として、そう言うしかなかった。
「嫌! お兄ちゃんより、いい人なんかいない!」
ルミ子は必死に叫んだ。瞳に決意をたたえ、シンジの瞳に気持ちを訴えた。
「お願い! 世間のイヤらしい男に汚される前に、お兄ちゃんに『初めて』をもらって欲しいの! そうしたら、どんな事でも耐えられるから!」
そしてルミ子は自分の唇を、兄の唇に強く押し付けた。そして呆然とする兄の舌に自分の舌を絡みつけ、互いの唾液でできた糸を引いて離れた。
「お願い……。お兄ちゃんしか、いないの……。」
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