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「まったくよ、俺はガキが苦手なんだっつうの」
ありがとう、といい掛けた少女は、その言葉を聞いてむっと頬を膨らませる。それからふん、と鼻を鳴らし、赤くなるはずもないほほを心持赤らめて、またぷい、とそっぽを向いた。
「生憎、あたし年下が好みだもん。おじさんなんて眼中にないもん!」
男はむっとしたような表情を浮かべ、ああそうかよ、と脱力したように言い返した。それから思い出したようにツッコミを入れる。
「って、誰がオジサンだ。お兄さんだっつってんだろ」
《了》
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