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「……正常…か…。」
俺は少し考えた。
ひっかかるのはやはり脳に焼き付いて
消えることない仕事場の事故。
あれが…果たして…
『正常』と呼べる範囲の出来事だろうか?
考えすぎか…。
事故の範囲は信号機の様の比較的単純なものから
俺の仕事場以上に精密な機械を取り扱う
工場でも起きている。
そもそも『正常』の判断を下すのは人だから、
そこにいた人の判断が間違っていた…というのか…。
「…アイドルのファンの殺傷事件も
そうだけど…、
人の判断が鈍ってきているのかな~?
…正常と異常の判断もできないのか?」
…だから、ファンのために…殺人をして
…他の事件でも自分が正しいと考えて
犯行は認めるし、あまりに悲惨で偶発的な
出来事なのか…。
もし、万が一…そんな事がありえるなら嫌な
世のなかになってしまったもんだ。
俺はそんなことを考えていたが、
あながち間違っていないことが
後に分かるのだ。
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