脳の異変

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「…適切な処理、ありがとうございます。」 「いいえ、こちらこそ。」 亜実さんは俺に微笑んで返事をした。 両手を丁寧に重ねたりと 細かいところまできっちりしている。 少し、自分の無愛想な態度は 改めねばと思えてきた。 「…あの?すみません。」 「?」 「あなたのお名前は?」 「!、ああ。 申し遅れました、仁です。」 俺も名刺を差し出した。 「!? ここって…。」 「?」 亜実さんの反応が気になった。 そんな俺にすぐさま亜紀さんも気づいた。 「あ、すみません。 …その、先日の事故の件をうかがっていて…、 大変でしたね。」 「ああ。少し…。」 「…そうですか? …仁さんは大丈夫でしたか?」 「…まあ、…その…事故を 目の前で目撃してしまって…。」 「それは、すみません!」 すぐさま亜実さんは頭を下げる。 「いやいや!そんな!」 俺は亜実さんに顔を上げて貰った。 そうこうしていると 社内アナウンスが。 じきに降りる駅だ。
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